(寄稿)最近の知的財産権事情

知的財産権の動向:内閣府知的財産戦略本部の方針

                           (昭和43年機織工芸卒)市野要助

 

 小泉政権時代に特許権等の知的財産権を保護強化する政策が実施された。このプロパテントの流れに沿う形で、日本も特許等と保護強化政策に邁進してきた。近時世界経済のボウダーレス化、グローバル化に対応するべく日本では知的財産戦略本部の志向する「知的財産推進計画」に沿って、知的財産権の権利の強化・保護に全力を傾け、迅速な権利付与・強力な権利範囲の創造に注力して今年度は「知的財産推進計画2016」を経済産業省・特許庁および産業界が一体的に協力推進している。法曹界や財界等の支援協力が奏功して世界的にも、ヨーロッパ、米国に並び称される効果的な知的財産権の保護体制が整えられつつあります。

 自由主義経済を志向する米国・日本・環太平洋の自由主義経済国家が協力してTPPを実行せんと協議中であった。米国の大統領府のスタッフから提案されてきたTPP体制は、全体主義的な中国政策とは相いれないものであったが、オバマ政権の終焉とトランプ政権の方針転換によって風前の灯のようである。

 日本弁理士会は、知的財産制度改革推進室を設け、「知的財産推進計画」を強力に推し進める方向で弁理士会内の政策協調を実行してきた。今年度は市野も弁理士会の執行理事の一員として、この政策に恭順してきた。

弁理士会の、中央知的財産権研究所、知的財産支援センターの担当役員として、100数十名の委員、運営委員等と協力して働いてきた。また、日本弁護士会と協力するADR機構で、複雑・高度化する知的財産権訴訟事件を簡素で迅速処理で裁判の補完的な遂行の役割実行につながる力として、その担当役員の一人として尽力しました。共に働くうちにいろいろと知見を深め有意義な一年を過ごさせていただきました。一緒に協力して頂いた200名余の弁理士先生方に敬意とお礼を申し上げます。

 近時、同業界でも輸出大国コンソーシアム、第4産業革命に対応する、経営体質整備、法制度の改正等のフォーラムや、研究会が目白押しですが、知的財産権分野においても、弁護士連合会と日本弁理士会の協力体制での委員会、WGが設けられており、弁理士会側の推薦を受けて、市野も弁護士会館での会議、会合等に参画しております。